indicationの意味・使い方・例文・発音

はじめに

indication(インディケーション)は、英語学習者にとって重要な単語の一つです。日常会話からビジネスシーン、医学分野まで幅広く使われるこの単語は、「示すこと」「兆候」「表示」といった意味を持ちます。特に現代社会では、デジタル機器の普及により「表示」や「指示」の意味でindicationが頻繁に使用されています。また、医療現場では「適応症」という専門的な意味でも用いられ、薬の使用目的や治療法の選択基準を表す重要な概念として機能しています。本記事では、indicationの基本的な意味から実践的な使い方、ネイティブスピーカーの感覚まで、この単語を完全にマスターするための情報を詳しく解説していきます。

意味・定義

indicationは名詞で、主に以下の意味で使用されます:

1. 兆候・徴候
何かが起こりそうであることを示すサインや手がかりを意味します。病気の症状や経済状況の変化など、将来の出来事を予測させる要素を指します。

2. 表示・指示
機器や装置が示す情報、または人が与える指示や合図を表します。計器の読み値や道路標識なども含まれます。

3. 暗示・ほのめかし
直接的ではないが、何かを示唆する言動や状況を意味します。

4. 医学用語としての適応症
特定の薬物や治療法が使用される病気や症状を指す医学専門用語です。

語源と語感

indicationの語源は、ラテン語の「indicare」(指し示す)に由来します。「in-」(中に)と「dicare」(宣言する、示す)が組み合わさった言葉です。この語源からも分かるように、indicationは本質的に「何かを指し示す」「明らかにする」という概念を持っています。

関連語として、動詞形の「indicate」(示す、指摘する)、形容詞形の「indicative」(を示している、指標となる)があります。これらの単語群は、すべて「指し示す」という共通の概念で結ばれています。

使い方と例文

indicationの使い方を実際の例文で確認していきましょう。様々な文脈での使用例を紹介します。

一般的な使用例

例文1:
There was no indication that the weather would change so dramatically.
天気がこれほど劇的に変化するという兆候は全くありませんでした。

例文2:
The stock market showed strong indications of recovery last month.
株式市場は先月、回復の強い兆候を示していました。

例文3:
His nervousness was a clear indication that something was wrong.
彼の緊張ぶりは、何かがおかしいことの明確な表れでした。

技術・医学分野での使用例

例文4:
The fuel gauge indication showed that the tank was nearly empty.
燃料計の表示は、タンクがほぼ空であることを示していました。

例文5:
This medication is prescribed for the indication of high blood pressure.
この薬は高血圧の適応症として処方されています。

例文6:
The doctor looked for any indication of infection in the blood test results.
医師は血液検査の結果で感染の兆候を探していました。

ビジネス・公式文書での使用例

例文7:
The company’s quarterly report gave no indication of future layoffs.
会社の四半期報告書では、将来の人員削減についての示唆は一切ありませんでした。

例文8:
Please follow the indications on the safety manual carefully.
安全マニュアルの指示に注意深く従ってください。

例文9:
The survey results provide a strong indication of customer satisfaction.
調査結果は顧客満足度の強い指標を提供しています。

例文10:
Early indications suggest that the new policy will be successful.
初期の兆候は、新しい政策が成功することを示唆しています。

類義語・反義語・使い分け

類義語とその使い分け

1. Sign(サイン、兆候)
indicationと最も近い意味を持つ単語です。signはより一般的で日常的な表現として使われます。

例:There are signs of improvement.(改善の兆候があります)

2. Signal(シグナル、信号)
意図的に送られる合図や警告を表します。indicationよりも能動的なニュアンスがあります。

例:The traffic signal indicated we should stop.(信号は止まるべきことを示していました)

3. Evidence(証拠、根拠)
より確実で具体的な証明を意味します。indicationは推測の要素を含みますが、evidenceはより確実性があります。

例:There is evidence of his involvement.(彼の関与の証拠があります)

4. Symptom(症状)
主に医学的文脈で使われ、病気の表れを指します。indicationよりも具体的で医学的です。

例:Fever is a symptom of infection.(発熱は感染の症状です)

5. Clue(手がかり、ヒント)
謎解きや問題解決の文脈でよく使われます。indicationよりもカジュアルな表現です。

例:The detective found an important clue.(探偵は重要な手がかりを見つけました)

反義語

1. Concealment(隠蔽、秘匿)
情報や兆候を隠すことを意味し、indicationの対極にあります。

2. Suppression(抑制、隠蔽)
兆候や情報を意図的に抑えることを指します。

3. Ambiguity(曖昧さ)
はっきりしない状態を表し、明確な指示や兆候がない状況を意味します。

発音とアクセント

基本的な発音

カタカナ表記: インディケーション
IPA記号: /ˌɪndɪˈkeɪʃən/

音節とアクセント

indicationは4音節の単語で、第3音節の「-ca-」にメインアクセントが置かれます:
in-di-CA-tion

アクセントパターンは以下の通りです:
– 第1音節「in」:弱勢
– 第2音節「di」:弱勢
– 第3音節「ca」:強勢(メインアクセント)
– 第4音節「tion」:弱勢

発音のコツ

1. 語頭の「in」
短い「イ」音で、日本語の「イン」よりも短く発音します。

2. 「di」の部分
「ディ」ではなく、より曖昧な「ダ」に近い音になります。

3. アクセントのある「ca」
「ケー」の音で、しっかりと強く発音します。この部分が最も重要です。

4. 語尾の「tion」
「ション」ではなく「シャン」に近い音で発音します。

類似単語との発音比較

indicate /ˈɪndɪkeɪt/ – インディケイト(動詞形)
indicative /ɪnˈdɪkətɪv/ – インディカティブ(形容詞形)
indicator /ˈɪndɪkeɪtər/ – インディケイター(名詞形)

ネイティブの使用感・ニュアンス

日常会話での使用頻度

indicationは、ネイティブスピーカーにとって比較的フォーマルな単語として認識されています。日常会話では「sign」や「hint」などのよりカジュアルな表現が好まれることが多いです。ただし、以下の場面では頻繁に使用されます:

ビジネス環境: 会議や報告書、プレゼンテーションなどの公式な場面
学術的文脈: 研究論文や学術発表
医療分野: 医師と患者の対話や医学文献
技術分野: マニュアルや取扱説明書

文体レベルと適切な使用場面

フォーマル度:中〜高

indicationは中程度からフォーマルな文体で使用される単語です。以下のような場面での使用が適切です:

適切な場面:
– 学術論文や研究発表
– ビジネス報告書や提案書
– 医療関連の文書や会話
– 技術文書やマニュアル
– ニュース報道や公式発表

避けるべき場面:
– 友人との気軽な会話
– 子供向けの説明
– 非常にカジュアルな文章

感情的ニュアンス

indication自体は中性的な単語ですが、文脈によって様々な感情的ニュアンスを持ちます:

警告的ニュアンス:
The dark clouds were an indication of the approaching storm.
(暗雲は嵐の接近を示していた)

希望的ニュアンス:
The early indications suggest a positive outcome.
(初期の兆候は良い結果を示唆している)

客観的・分析的ニュアンス:
The data provides clear indications of market trends.
(データは市場動向の明確な指標を提供している)

地域による使用差

indicationの使用は、英語圏全体で比較的一貫していますが、若干の地域差があります:

アメリカ英語: ビジネスや医学分野での使用が多い
イギリス英語: より学術的・公式な文書での使用が目立つ
オーストラリア・ニュージーランド英語: アメリカ英語に近い使用傾向

コロケーション(よく一緒に使われる単語)

形容詞 + indication:
– clear indication(明確な兆候)
– strong indication(強い兆候)
– early indication(初期の兆候)
– positive indication(肯定的な兆候)
– reliable indication(信頼できる兆候)

動詞 + indication:
– give indication(兆候を示す)
– show indication(兆候を見せる)
– provide indication(兆候を提供する)
– follow indication(指示に従う)

indication + 前置詞:
– indication of(〜の兆候)
– indication for(〜のための適応症)
– indication that(〜という兆候)

文法的特徴と使用パターン

可算名詞・不可算名詞としての使い分け

indicationは基本的に可算名詞として使用されますが、文脈によって不可算名詞としても機能します:

可算名詞として:
There were several indications of his dissatisfaction.
(彼の不満を示すいくつかの兆候がありました)

不可算名詞として:
There was little indication of improvement.
(改善の兆候はほとんどありませんでした)

前置詞との組み合わせ

indication of + 名詞:
This is an indication of his true feelings.
(これは彼の本当の気持ちの表れです)

indication that + 節:
There was every indication that the project would succeed.
(プロジェクトが成功するというあらゆる兆候がありました)

indication for + 目的:
This drug has no indication for children under 12.
(この薬は12歳未満の子供には適応がありません)

修飾語との組み合わせ

indicationは様々な形容詞で修飾され、意味に細かなニュアンスを加えます:

程度を表す修飾語:
– slight indication(わずかな兆候)
– significant indication(重要な兆候)
– overwhelming indication(圧倒的な兆候)

性質を表す修飾語:
– reliable indication(信頼できる兆候)
– misleading indication(誤解を招く兆候)
– accurate indication(正確な兆候)

専門分野での特殊な使用法

医学・薬学分野

医学分野では、indicationは「適応症」という専門的な意味で使用されます:

薬物適応:
The primary indication for this antibiotic is pneumonia.
(この抗生物質の主要適応症は肺炎です)

治療適応:
Surgery is indicated for severe cases.
(重症例では手術が適応となります)

禁忌との対比:
Check both indications and contraindications before prescribing.
(処方前に適応症と禁忌の両方を確認してください)

技術・工学分野

技術分野では、機器の表示や指示の意味で使用されます:

計器表示:
The pressure indication on the gauge was within normal range.
(ゲージの圧力表示は正常範囲内でした)

システム状態:
The error indication appeared on the control panel.
(制御パネルにエラー表示が現れました)

法律・規制分野

法的文書では、証拠や状況証拠の意味で使用されます:

証拠としての兆候:
The financial records provide indication of fraudulent activity.
(財務記録は不正行為の兆候を示しています)

学習者がよく間違えるポイント

よくある誤用例と正しい使い方

誤用例1: ×He indicated me the way.
正しい表現:He indicated the way to me.
解説: indicateは直接目的語と間接目的語を両方取ることができません。

誤用例2: ×The indication shows clearly.
正しい表現:The indication is clear.
解説: indicationは名詞なので、動詞showの主語にはなりません。

誤用例3: ×According to indication…
正しい表現:According to the indication…
解説: 可算名詞のindicationには冠詞が必要です。

類似単語との混同

indication vs. instruction
– indication:兆候、表示(受動的)
– instruction:指示、指導(能動的)

indication vs. information
– indication:兆候、暗示(推測を含む)
– information:情報(事実ベース)

発音での注意点

日本人学習者が注意すべき発音のポイント:

1. アクセントの位置
×インディ「ケー」ション
○インディ「ケイ」ション(第3音節)

2. 語尾の発音
×「ション」
○「シャン」

まとめ

indicationは、現代英語において非常に重要で多用途な単語です。「兆候」「表示」「適応症」など、文脈に応じて様々な意味を持ち、日常会話からビジネス、医学、技術分野まで幅広く使用されています。この単語を正しく理解し使いこなすことで、より精密で専門的な英語表現が可能になります。特に、ネイティブスピーカーはindicationを比較的フォーマルな文脈で使用する傾向があるため、適切な場面での使用を心がけることが重要です。また、医学分野での「適応症」という専門的な意味や、技術分野での「表示」という意味も理解しておくことで、専門的な英語テキストの理解が深まります。発音においては、第3音節にアクセントを置くことと、語尾を「シャン」と発音することを意識して練習しましょう。これらのポイントを押さえることで、indicationを自然で適切な英語表現の一部として活用できるようになるでしょう。