possibleの意味・使い方・例文・発音

はじめに

英語学習において、「possible」は日常会話からビジネスシーン、学術的な文章まで幅広く使用される重要な形容詞です。日本語でも「ポッシブル」として使われることがありますが、英語での正確な意味やニュアンス、使い方を理解することで、より自然で効果的なコミュニケーションが可能になります。

この記事では、「possible」の基本的な意味から語源、実際の使用例、類義語や反義語との使い分け、そしてネイティブスピーカーが感じる微妙なニュアンスまで、英語学習者が知っておくべき全ての情報を詳しく解説します。可能性や実現性を表現する際に欠かせないこの単語をマスターして、英語力の向上につなげましょう。

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意味・定義

基本的な意味

「Possible」は英語において非常に頻繁に使用される形容詞で、主に以下のような意味を持ちます。

第一の意味は「可能な、実現可能な」です。これは何かが起こりうる状況や、実行することができる事柄を表します。例えば、技術的に実現できることや、物理的に可能なことを指す際に使用されます。

第二の意味は「ありうる、起こりうる」で、確率や蓋然性に関わる表現です。完全に確実ではないものの、現実的に起こる可能性がある事象を表現する際に用いられます。

第三の意味として「考えられる、想定される」という意味もあり、推測や仮定を表現する際にも使用されます。これは論理的な推論や可能性の検討において重要な役割を果たします。

語源と成り立ち

「Possible」の語源を辿ると、ラテン語の「possibilis」に行き着きます。この語は「posse(できる、能力がある)」という動詞から派生したもので、「-ibilis」という接尾辞が付いて形容詞化されています。

中世ラテン語を経てフランス語に入り、14世紀頃に英語に借用されました。語源から分かるように、この単語は根本的に「能力」や「力」の概念と深く結びついており、現代でも「実現する力がある」という意味合いを保持しています。

語感とニュアンス

「Possible」は比較的中性的な語感を持つ単語ですが、文脈によって様々なニュアンスを表現できます。肯定的な文脈では希望や期待を込めた可能性を、否定的な文脈では不安や懸念を表す可能性を示すことができます。

また、確実性の程度においても幅広い表現が可能で、非常に高い確率から僅かな可能性まで、文脈に応じて調整することができる柔軟性を持っています。

使い方と例文

基本的な使い方

「Possible」は形容詞として、主に以下のような構文で使用されます。

**It is possible + to不定詞**の構文:
– It is possible to finish the project by next week.
(来週までにプロジェクトを完了することは可能です。)

– It is possible to learn a new language at any age.
(どの年齢でも新しい言語を学ぶことは可能です。)

**It is possible + that節**の構文:
– It is possible that she might be late for the meeting.
(彼女が会議に遅れる可能性があります。)

– It is possible that the weather will improve tomorrow.
(明日は天気が良くなる可能性があります。)

様々な文脈での使用例

ビジネス場面での使用例:
– We need to explore all possible solutions to this problem.
(この問題に対するあらゆる可能な解決策を検討する必要があります。)

– Is it possible to schedule a meeting for next Tuesday?
(来週の火曜日に会議の予定を組むことは可能でしょうか?)

日常会話での使用例:
– Would it be possible to borrow your car for the weekend?
(週末にお車をお借りすることは可能でしょうか?)

– It’s possible that I left my keys at home.
(家に鍵を置いてきた可能性があります。)

学術的・技術的文脈での使用例:
– This technology makes it possible to communicate instantly across the globe.
(この技術により、世界中と瞬時にコミュニケーションを取ることが可能になります。)

– Further research is needed to determine all possible applications.
(すべての可能な応用例を特定するには、さらなる研究が必要です。)

条件を表す表現

「If possible」は非常によく使われる表現で、「もし可能であれば」という意味を表します:
– Please call me back as soon as possible, if possible within an hour.
(できるだけ早く、可能であれば1時間以内に折り返しお電話ください。)

「Whenever possible」は「可能な時はいつでも」という意味:
– She tries to walk to work whenever possible to stay healthy.
(健康を保つため、可能な時はいつでも歩いて通勤するようにしています。)

類義語・反義語・使い分け

主要な類義語

**Feasible(実行可能な)**
「Feasible」は「possible」よりも実用性や実現性により重点を置いた表現です。理論的に可能というより、実際に実行できるかどうかに焦点を当てます。
– The plan seems feasible within our budget constraints.
(この計画は予算の制約内で実行可能と思われます。)

**Practicable(実用的な)**
「Practicable」は実際の使用や実行において現実的であることを強調します。
– We need to find a practicable solution that everyone can agree on.
(皆が合意できる実用的な解決策を見つける必要があります。)

**Viable(存続可能な)**
「Viable」は継続性や持続可能性を含意し、特にビジネスや計画の文脈でよく使用されます。
– Is this business model viable in the long term?
(このビジネスモデルは長期的に存続可能でしょうか?)

**Achievable(達成可能な)**
「Achievable」は目標や成果の達成に焦点を当てた表現です。
– Setting achievable goals is important for motivation.
(達成可能な目標を設定することは動機付けにとって重要です。)

反義語

**Impossible(不可能な)**
「Possible」の直接的な反対語で、実現や発生が不可能であることを表します。
– It’s impossible to be in two places at the same time.
(同時に二つの場所にいることは不可能です。)

**Unlikely(ありそうにない)**
完全に不可能ではないが、発生する確率が低いことを表します。
– Rain is unlikely tomorrow according to the weather forecast.
(天気予報によると、明日雨が降る可能性は低いです。)

**Improbable(起こりそうにない)**
論理的には可能だが、現実的には起こりにくいことを表現します。
– It’s improbable that he will change his mind at this point.
(この時点で彼が考えを変える可能性は低いでしょう。)

程度を表す修飾語との組み合わせ

「Possible」は様々な副詞と組み合わせて、可能性の程度を表現できます:

– **Highly possible**(非常に可能性が高い)
– **Quite possible**(かなり可能性がある)
– **Barely possible**(かろうじて可能)
– **Theoretically possible**(理論的には可能)
– **Technically possible**(技術的には可能)

これらの表現により、話者の確信の度合いや状況の現実性を細かく調整することができます。

発音とアクセント

正確な発音

「Possible」の正確な発音を理解することは、英語コミュニケーションにおいて重要です。

**IPA記号表記:** /ˈpɑːsəbl/(アメリカ英語)、/ˈpɒsəbl/(イギリス英語)

**カタカナ表記:** ポッサブル(アメリカ英語)、ポシブル(イギリス英語)

第一音節「pos-」に主要なアクセントが置かれ、この部分を強く明瞭に発音します。第二音節「-si-」は弱く、第三音節「-ble」は軽く発音されます。

発音のポイント

アメリカ英語では、最初の「o」の音が「ɑː」音(「アー」に近い音)で発音されるのに対し、イギリス英語では「ɒ」音(短い「オ」音)で発音されます。

中間の「s」音は濁らずに清音で発音し、最後の「-ble」は「ブル」というより「ブゥル」のように軽く発音します。

日本人学習者が注意すべき点として、カタカナの「ポッシブル」のように「シ」音を入れがちですが、実際には「s」音のままで発音します。

類似語との発音比較

– **Possible** /ˈpɑːsəbl/ – ポッサブル
– **Impossible** /ɪmˈpɑːsəbl/ – インポッサブル
– **Possibly** /ˈpɑːsəbli/ – ポッサブリー

これらの語は同じ語幹を共有しているため、基本的な発音パターンは類似していますが、アクセントの位置に注意が必要です。

ネイティブの使用感・ニュアンス

頻度と使用場面

ネイティブスピーカーにとって「possible」は極めて自然で頻繁に使用される単語です。日常会話からフォーマルな文書まで、あらゆる場面で違和感なく使用できる汎用性の高い語彙として認識されています。

特に、提案や依頼をする際の丁寧な表現として「Is it possible…?」の形がよく使われ、直接的すぎない適度な距離感を保った表現として好まれます。

文脈による微妙なニュアンス

**楽観的なニュアンス**
「Anything is possible」のような表現では、希望や可能性への信念を表現し、前向きで励ましの意味合いが強くなります。

**慎重なニュアンス**
「It’s possible, but…」のような使い方では、可能性は認めつつも懐疑的な態度や条件付きの承認を示します。

**丁寧なニュアンス**
「Would it be possible…?」の形では、相手への配慮を示しながら依頼や提案を行う丁寧な表現として機能します。

ネイティブが避ける使い方

ネイティブスピーカーは、「possible」を過度に使用することを避ける傾向があります。同じ文章や会話の中で何度も繰り返すと不自然に聞こえるため、類義語や別の表現と使い分けます。

また、確実性が非常に高い状況で「possible」を使うと、かえって不確実性を印象付けてしまうため、適切な文脈での使用が重要です。

地域差と使用頻度

アメリカ英語とイギリス英語の間で「possible」の使用に大きな違いはありませんが、組み合わせる語や表現において微細な差異が存在します。

カナダ、オーストラリア、ニュージーランドなどの英語圏でも同様に広く使用され、国際的なコミュニケーションにおいて安心して使える語彙として位置づけられています。

世代や社会層による使用の違い

「Possible」は世代を問わず使用される語彙ですが、若い世代では「maybe」や「might」などのより口語的な表現を好む傾向も見られます。

ビジネス環境では年齢に関係なく「possible」が好まれ、プロフェッショナルな印象を与える表現として重宝されています。

学術的な文章や正式な文書では「possible」が標準的な表現として確立されており、フォーマルさを保ちながら可能性を表現する際の第一選択となっています。

関連表現と慣用句

「As soon as possible」の使い方

「As soon as possible」(できるだけ早く)は「possible」を含む最も一般的な表現の一つです。ビジネス英語では頻繁に使用され、緊急性を表現する際の標準的な表現となっています。

– Please send the report as soon as possible.
(できるだけ早くレポートを送ってください。)

この表現は「ASAP」と略されることも多く、カジュアルな文書や電子メールで広く使用されています。

「If at all possible」による強調

「If at all possible」は「もし少しでも可能であれば」という意味で、依頼の重要性や切迫性を強調する表現です。

– Please attend the meeting if at all possible.
(少しでも可能であれば、ぜひ会議にご出席ください。)

「Every possible」による網羅性の表現

「Every possible」は「あらゆる可能な」という意味で、包括性や徹底性を強調します。

– We explored every possible solution to the problem.
(その問題に対するあらゆる可能な解決策を検討しました。)

「Make it possible」による実現の表現

「Make it possible」は「それを可能にする」という意味で、能動的な働きかけや条件の整備を表現します。

– Technology has made it possible to work from anywhere.
(技術の進歩により、どこからでも働くことが可能になりました。)

学習上の注意点

日本人学習者が陥りやすい間違い

日本人英語学習者が「possible」を使用する際によく見られる間違いとして、「It’s possible to」の後に動詞の原形を置いてしまうことがあります。正しくは不定詞「to + 動詞の原形」を使用します。

間違い:It’s possible go there by train.
正解:It’s possible to go there by train.

また、「possible」を副詞として使用してしまう間違いも見られます。副詞形は「possibly」であることに注意が必要です。

間違い:He will possible come tomorrow.
正解:He will possibly come tomorrow. または It’s possible that he will come tomorrow.

語順と構文の注意点

「Possible」を使った疑問文では、語順に注意が必要です。特に「Is it possible…?」の構文では、「it」を主語として適切に配置することが重要です。

正しい疑問文の例:
– Is it possible to change the appointment?
(予定を変更することは可能でしょうか?)

– Would it be possible for you to help me?
(お手伝いいただくことは可能でしょうか?)

フォーマル度の調整

「Possible」は比較的フォーマルな語彙であるため、カジュアルな会話では「maybe」や「might」などの表現の方が自然な場合があります。場面に応じた使い分けが重要です。

フォーマル:It is possible that the meeting will be postponed.
カジュアル:The meeting might be postponed. / Maybe the meeting will be postponed.

実践的な練習方法

効果的な学習アプローチ

「Possible」を自然に使いこなせるようになるためには、様々な文脈での使用例に触れることが重要です。ニュース記事、ビジネス文書、日常会話など、多様な場面での使用例を観察し、パターンを理解しましょう。

音読練習では、正しいアクセントと発音を意識して繰り返し練習することで、自然な発音を身につけることができます。

応用練習のすすめ

日常生活の中で「possible」を使った表現を積極的に取り入れてみましょう。例えば、予定の調整や提案をする際に「Would it be possible…?」を使用するなど、実践的な場面での使用を心がけます。

ライティング練習では、様々な構文パターンを使って「possible」を含む文章を作成し、自然な表現力を向上させることができます。

上達のためのコツ

「Possible」を含む表現を暗記するだけでなく、その背景にある論理や感情を理解することで、より自然で効果的な使用が可能になります。

ネイティブスピーカーとの会話練習では、「possible」を使った表現を意識的に取り入れ、相手からのフィードバックを積極的に受け入れることで、実践的なスキルを向上させることができます。

まとめ

「Possible」は英語学習において必須の語彙であり、日常会話からビジネス、学術的な場面まで幅広く活用できる重要な形容詞です。この記事で解説した基本的な意味から応用的な使い方、ネイティブの感覚まで理解することで、より自然で効果的な英語表現が可能になります。

可能性や実現性を表現する際の核となる「possible」をマスターすることは、英語でのコミュニケーション能力向上に直結します。正しい発音とアクセント、適切な文脈での使用、類義語との使い分けを意識しながら、継続的な練習を通じて自然な使用感を身につけていきましょう。今後の英語学習において、この「possible」という語彙が皆さんの表現力の向上に大きく貢献することを願っています。