はじめに
英単語「absorb(アブソーブ)」は、日常英会話からビジネス、科学、技術まで幅広く使われる重要な語です。基本的には「吸収する」という意味で知られていますが、その使い方は非常に多様であり、「情報を吸収する」「衝撃を吸収する」「費用を吸収する」など、抽象的な場面にも使われます。本記事では、「absorb」の発音、意味、文法的使い方、例文、さらには類義語や語源、派生語までを詳しく解説します。英語のボキャブラリーを強化したい方、TOEIC・英検対策をしている方、または翻訳や英文読解に関わる方にとっても、本記事は「absorb」の理解を深める強力なガイドとなるはずです。
1. 発音とカタカナ表記
発音記号:/əbˈzɔːrb/(米) /əbˈzɔːb/(英)
カタカナ読み:アブゾーブ(もしくはアブソーブ)
※「b」と「s」の間が連結し、「z」音になる点に注意。
2. absorbの基本的な意味
- 吸収する:液体・光・熱・衝撃などを取り込む
- 取り入れる:知識や情報を取り込む、学ぶ
- 没頭させる:注意・関心などを引きつける
- 負担する:費用や損失などを引き受ける
- 統合する:組織や集団を合併・統合する
3. 品詞と文法的使い方
「absorb」は他動詞です。目的語を必要とし、「何を吸収するのか」が常に必要になります。
構文例:
- absorb + 名詞(heat, water, knowledge, etc.)
- be absorbed in + 名詞 / 動名詞(~に没頭する)
- absorb + cost / impact / loss(費用・衝撃・損失を吸収する)
4. 例文(10文以上)
- The sponge absorbed all the water on the floor.(スポンジが床の水をすべて吸収した)
- Plants absorb sunlight to carry out photosynthesis.(植物は光合成を行うために太陽光を吸収する)
- She was completely absorbed in her book.(彼女は本にすっかり夢中になっていた)
- Our company will absorb the cost of shipping.(当社が送料を負担します)
- Children absorb language quickly.(子供は言語をすぐに吸収する)
- The shock absorber absorbed the impact of the crash.(ショックアブソーバーが衝突の衝撃を吸収した)
- He was absorbed in thought and didn’t hear me.(彼は考え事に没頭していて、私の話が聞こえなかった)
- This fabric absorbs sweat and keeps you dry.(この生地は汗を吸収して乾いた状態を保つ)
- The country absorbed many refugees during the war.(その国は戦争中に多くの難民を受け入れた)
- These materials absorb radiation.(これらの素材は放射線を吸収する)
5. absorbの派生語と熟語表現
- absorption(名詞): 吸収、没頭
- be absorbed in: ~に夢中になる
- absorbent(形容詞): 吸収性のある(例:absorbent paper)
6. 類義語・対義語
類義語(Synonyms)
- take in(取り入れる)
- soak up(吸い取る)
- assimilate(同化する、吸収する)
- engross(夢中にさせる)
対義語(Antonyms)
- emit(放出する)
- repel(はじく)
- exclude(除外する)
- discharge(放出する)
7. absorbが使われる分野別用法
科学分野
「物質がエネルギーや液体を吸収する」意味で使われる。
例:Black surfaces absorb more heat than white ones.
ビジネス分野
「費用を吸収する」「子会社を吸収合併する」といった意味。
例:The company absorbed its competitor last year.
心理・教育分野
知識や情報を取り入れるという抽象的な意味。
例:Students need time to absorb new material.
8. absorbの語源と歴史
「absorb」はラテン語の「absorbere(吸い込む、飲み込む)」に由来し、「ab(~から)」+「sorbere(飲み込む)」の合成語です。中世ラテン語を経由して英語に取り入れられ、主に「液体の吸収」から比喩的な意味へと発展しました。
9. よくある間違い
- 誤用:「He absorbed in the book.」→ 正:He was absorbed in the book.
- 誤用:「It is absorb water.」→ 正:It absorbs water.
「absorb」は基本的に他動詞であるため、主語に応じた動詞の活用が必要です。また、「be absorbed in」のように受動態+前置詞の形もよく使われます。
まとめ
「absorb」は「吸収する」という意味を持つ英単語ですが、物理的な意味にとどまらず、情報、費用、関心、文化など幅広いものを対象に使われる汎用性の高い語です。動詞として使う際には必ず目的語が必要であり、文脈に応じて「没頭する」「負担する」「統合する」といった意味に変化します。また、「be absorbed in ~」などの熟語的表現も頻出であり、試験や日常会話で頻繁に登場します。語源や発音を含めてしっかりと理解しておくことで、リーディング・ライティング・リスニングのすべてにおいて表現の幅を広げることができるでしょう。英語学習者として、このような単語をしっかりと身につけていくことが語彙力向上の第一歩です。